第2回 高校生のための生き物調査体験ツアーin台湾 2017年 実施報告
概要
2017 年8 月1 日(火)~2017 年8 月5 日(土)4 泊5 日の日程(台風の影響により6 泊7 日から日程を短縮)で、台北市立動物園および東眼山自然教育センター周辺を観察フィールドにした「高校生のための生き物調査体験ツアーin 台湾」を実施しました。日本からの参加高校生17 名と台湾からの参加高校生20 名、計37 名の高校生が、兵庫県立人と自然の博物館と台北市立動物園の研究者と一緒に、亜熱帯地方に生息する台湾の生き物の調査方法などを学びました。高校生たちは、生き物に対する多くの知識を得ただけでなく、不慣れな環境に身を置いたことで得られた精神的なたくましさや、海外の高校生と交流する際の語学力向上の自覚など、普段体験できない様々な経験を手に入れて帰国しました。2017 年のツアーで実施した様々な活動の中から、主なものをご紹介します。
キノボリトカゲの食性調査
事前に捕獲しておいたキノボリトカゲの口にスポイトを入れて、生理食塩水を一度胃に流し込んだあと、その水をもう一度スポイトで吸い取ることで、極力トカゲを傷つけずに胃内容物を取り出し、その食性を解明する調査を経験しました。
コウモリトラップの設置とコウモリの観察
夜間に、コウモリの通り道に楽器のハープによく似たトラップを仕掛け、そこに引っかかり、落下して捕獲袋に収まったコウモリを朝に回収しました。そして捕獲されたコウモリを対象に、体長の測定やDNA調査のためのサンプル(飛膜小片)採取の実演を見学しました。
コケ植物の採集と標本づくり
東眼山自然教育センター周辺でコケ植物を観察・採集し、センターの施設に持ち帰って形態的特徴を観察するとともに、標本づくりを体験しました。
日中の観察
日中の観察で甲虫やチョウやトンボなどの昆虫類や、鳥類など、私たちの住む日本では見ることのできない、色あざやかな生き物たちを多く観察することができました。
夜間の観察
東眼山と台北市立動物園の両方で、ライトトラップに集まって来た様々な昆虫を観察しました。また、ライトで照らしながら遊歩道を歩き、夜行性のカエルやヘビなども、数多く観察しました。