第3回 高校生のための生き物調査体験ツアーin台湾 2018年 実施報告
概要
2018年8月1日(水)~2018年8月7日(火)6泊7日の日程で台北市立動物園および東眼山自然教育センター周辺を観察フィールドにした「高校生のための生き物調査体験ツアーin台湾」を実施しました。
日本からの参加高校生20名と台湾からの参加高校生20名、計40名の高校生が、兵庫県立人と自然の博物館と台北市立動物園の研究者と一緒に亜熱帯地方に生息する台湾の生き物の調査方法などを学びました。高校生たちは、生き物に対する多くの知識を得ただけでなく、不慣れな環境に身を置いたことで得られた精神的なたくましさや海外の高校生と交流する際の語学力向上の自覚など、普段体験できない経験を手に入れて帰国しました。
2018年のツアーで実施した様々な活動の中から、主なものをご紹介します。
事前・事後学習会
例年本番前後には兵庫県の県立人と自然の博物館にて学習会を行っています。事前学習会では注意事項の周知、参加者の自己紹介、参考書籍の紹介、標本の見学、植物標本の製作実習を行いました。事後学習会では実習および観察できた生き物の振り返り、土壌微生物の観察、収蔵庫に入っての標本の見学を行いました。
キノボリトカゲの食性調査
事前に捕獲しておいたキノボリトカゲの口にスポイトを入れて生理食塩水を一度胃に流し込んだ後、その水をもう一度スポイトで吸い取ることでトカゲを殺傷することなく胃の内容物を取り出し、その食性を解明する調査を経験しました。
日中の観察
日中の観察で甲虫やチョウやトンボなどの昆虫類や、鳥類など、私たちの住む日本では見ることのできない、色あざやかな生き物たちを多く観察することができました。
夜間の観察
東眼山にてライトトラップに集まって来た様々な昆虫を観察しました。また、ライトで照らしながら遊歩道を歩き、夜行性のカエルやヘビなども数多く観察しました。
コウモリトラップの設置とコウモリの観察
夜間にコウモリの通り道に楽器のハープによく似たトラップを仕掛け、そこに引っかかり、落下して捕獲袋に収まったコウモリを朝に回収しました。そして捕獲されたコウモリを対象に、体長の測定やDNA調査のためのサンプル(飛膜小片)採取の実演を見学しました。
台北市内見学
台北市内にて龍山寺、故宮博物館を訪れ、台湾の歴史・文化にも触れました。また、現地参加者の案内で、昼は龍山寺周辺の飲食店、夜は国立台湾大学近くの夜市を散策し、マンゴーかき氷などの台湾の味も体験しました。
参加者同士の交流
現地での見たことのない生き物との遭遇に加え、異国での生活や交流においても、日々、大きな刺激を受けていることが感じられました。また、このツアーに参加したことで、同じ志を持つ友人がでたことに、大きな喜びを感じていることが、帰国後の彼らの笑顔から伝わってきました。